私の好きな漫画の一つ。

 

ゴルゴ13。

 

女性には馴染みのない作品かと思いますが、詳しい内容はここでは割愛。

 

主人公であるゴルゴ13ことデューク東郷の職業は狙撃手(スナイパー)。

彼に仕事を依頼するためには守らなければならないルールがいくつかあるわけですが、そのうちの一つが、

「姿の見えない相手の依頼は受けない」

というもの。

 

作品中、特殊なケースを除き、このルールは必ず守られています。

 

その理由は…

 

自分と依頼者との関係が一方通行にならないため。

だそうで…。

 

ゴルゴは必ず、依頼者と直接面会した上で仕事を引き受けます。

その際、

「依頼者がどれだけ真剣に自分を必要としているか」

を汲み取るわけです。

 

報酬が高額なのはそのためで、仮に依頼者が貧しい人物の場合、コイン1枚で依頼を受ける場合もあります。

 

一方、依頼を受けたゴルゴは、何があってもその依頼を完遂します。

たとえ任務完了前に依頼者が死んでしまった場合でも、その依頼は成し遂げられるのです。

 

さて、ゴルゴと依頼者を結ぶもの、それは…

 

信頼

 

に、他ならないのです。

 

仕事柄、契約書などというものはありません。

依頼する方は、ゴルゴが本当に任務を成し遂げられるという保証はありません。

ゴルゴにとっても、依頼者が実は敵かもしれません。

 

このような状況で契約を交わすには、お互いに相手を信頼するしかないんですね。

 

 

さて、我々の仕事に目を向けてみましょう。

 

例えばエステサロンや脱毛サロンなどでは、お客様が「誓約書」なる書類にサインをする場面が多く見られます。

各サロン毎のルールが記載されていて、大抵最後の部分に、

「一切の異議申し立てをいたしません」

みたいな一文があるんですよね。

 

要はサロン側のトラブル防止策なのでしょうが、違う言い方をすれば、

逃げ道

ですよね。

 

何かトラブルが起きた時に、

「ほら、誓約書のここに書いてあるでしょ。

あなたも納得してサインしたんでしょ。

だから責任は取りませんし、お金も返しませんよ。」

って。

 

やる前からそんな誓約書にサインさせて逃げ道を確保するようなサロンに、信頼なんか生まれるわけがないでしょ。

 

お客様はサロンを信頼して来店くださるわけだから、その信頼に応えるのがプロ。

 

誠心誠意の仕事を行うのは当然で、万が一トラブルが起きてしまったら、それはサロンの責任。

そこに逃げ道なんてものは無いはずなんです。

 

ですから…

 

当店では誓約書などというものはありません。

私を信頼してくださるお客様に、そんな書類を出せるはずがありません。

 

だからと言って、トラブルが絶対に無いとは言い切れません。

そのために、常に万全の体制を整えておく。

それもサロンの責任。

 

 

でもね…

本音を言えば、トラブルは怖いんです。